南米王者LDUキト(エクアドル)が、「C・ロナウド返し」で世界王座を狙う。決勝前日、横浜国際総合競技場で公式練習を行った。会見でエドガルド・バウサ監督(50)はこれまでの戦い方を変えずに臨むと宣言。MFルイス・ボラニョス(23)を中心に展開した高速サイド攻撃で、C・ロナウド唯一の弱点である守りを突く考えを示した。

 「我々には勝ち進んだことで得たサッカーがある。それを存分に発揮し、相手にダメージを与えたい」。自陣の高い位置でボールを奪い、素早くサイドにつなげる。17日の準決勝(対パチューカ)で見せたスタイルを貫くと言い切った。

 攻撃の心臓部になるのが、左のボラニョスだ。信じられない瞬発力で駆け上がり、決定機を演出する。時にMFレアスコと左右が入れ替わる変幻自在の攻撃は、C・ロナウドのプレーとダブる。背番号「7」の23歳。強烈な直接FKを武器とするところまで一緒だ。

 バウサ監督は「相手の長所をマークすることだけを考えているわけではない」と、弱点研究が進んでいることをほのめかした。C・ロナウド唯一の弱み、守備に狙いを定めていることは間違いない。対面に位置するボラニョスは「彼には敬意を表する。だが僕が考えているのは、どういうプレーをすれば勝てるかということさ」。前掛かりのC・ロナウドからボールを奪ったとき、絶好機が生まれる。南米の「C・ロナウド」の頭には、ゴールのイメージが浮かんでいた。【森本隆】