国際サッカー連盟(FIFA)は4日、2010年ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会の欧州予選プレーオフ第2戦、フランス-アイルランドでの“誤審”をめぐり、法的措置を回避するためにアイルランド協会(FAI)へ500万ユーロ(約7億円)を支払っていたことを認めた。

 FIFAは「この問題を終わらせるためにアイルランド協会にスタジアム建設用に500万ユーロを貸し付けた」との声明を出した。アイルランドが14年W杯予選を勝ち抜けば返済される予定だったが、再びW杯出場を逃したため、帳消しにしたという。

 両者の合意はこれまで公になっていなかった。4日にFAIの幹部がアイルランドの公共ラジオの取材で金銭の授受を認めて発覚した。FAIはFIFAの声明を受け「長く費用もかかる法廷闘争を避けるためにFIFAの和解案を受け入れた」と表明した。

 09年11月に行われた大一番でフランスのアンリ選手がチームをW杯出場に導く決勝点をアシストする直前にボールを手で止めていたが、主審は見逃した。アイルランドは10年大会を逃し、「特別枠」でのW杯出場を要請していたが、後に撤回していた。