[ 2014年2月17日9時14分

 紙面から ]メダルセレモニーで、金メダルを手に誇らしげな表情を見せる羽生(撮影・PNP)

 次は日本で王者の滑りをみせる!

 フィギュアスケート男子シングルで日本人初の金メダルに輝いた羽生結弦(19=ANA)は15日、五輪公園で行われたメダルセレモニーに参加した。

 無数の日の丸が振られるセレモニー会場に「ゴールドメダリスト!

 ユヅル・ハニュウ!」のアナウンスが響き渡る。まぶしいライトに照らされ、欧米人以外で初の金メダリストは、表彰台の一番高い場所へ、軽やかに跳んだ。

 「表彰台につまずいたらどうしよう」。試合前より緊張していたという「たくらみ」が成功すると、いよいよ首に一番輝くメダルが下げられた。「ありがとうございます」。66年ぶりの10代王者は、深々とお辞儀をして、花束を持った右手で声援に応えた。

 羽生

 日本の国旗を振って応援してくださったので、本当に気持ち良かったです。君が代が流れてその時に日本代表として、日本国民の1人として、羽生結弦として、誇らしい一瞬を迎えられたなと思います。

 だからこそ、責任感が芽生える。「試合では五輪チャンピオンという肩書を背負ってやらなければいけない」と言葉に力を込めた。

 次の舞台は埼玉での世界選手権(3月26日開幕)。王者としての初試合を迎える。恩返しを誓った郷里の仙台により近い場所で、感謝の滑りを披露できる。「フリーの演技の悔しさを胸に秘めた自分じゃなくて、堂々と帰りたい」と凱旋(がいせん)する。

 06年トリノ大会のプルシェンコ、10年バンクーバー大会のライサチェクと続けて五輪王者はその直後の世界選手権を欠場しているが、「キング・ロード」を歩んでいく19歳にその気はない。「また4年後もありますけど、日々精進していきたい」。今度は日本から世界にその強さを発信する。【阿部健吾】