女子200メートル(T47=片前腕切断など)で辻沙絵(21=日体大)が27秒08の日本新記録で優勝した。

 女子走り幅跳び(T44=片下腿切断など)は中西麻耶(31=大分県身障者陸協)が自身の持つアジア記録にあと11センチに迫る5メートル40で制した。

 辻は後半もペースが落ちなかった。自身の記録を100分の3秒更新する日本新記録に「リラックスして走れました。またちょっとレベルアップできている」。100メートル、200メートル、400メートルの3種目で日本記録を持つ短距離界の女王は、あらためて着実な成長を実感していた。

 練習ではパラリンピックで最もメダルに近い400メートルに力を入れている。その練習が200メートルのレベルを引き上げた。「400メートルの練習で最初の200メートルを28秒で入る練習をしてきたので、タイムの感覚が少し分かるようになった」。走力とスタミナがついたことで、レース中に心の余裕もできたのかもしれない。

 リオデジャネイロ・パラリンピックまで2カ月。「100、200も思うようになってきた。でもまずはメダルに近い400に一番力を入れて底上げしたいです」。21歳の描く上昇カーブには勢いがある。【首藤正徳】