ロンドン五輪のマラソンで金メダルを目指すケニア代表候補の男女12人が17日に発表され、男子は世界記録保持者のパトリック・マカウや世界選手権2連覇中のアベル・キルイ、女子は世界選手権覇者のエドナ・キプラガトらが入った。近年の躍進で好選手が多過ぎ、ケニア陸連は選考に頭を痛めている。

 男女各3人の代表選手は4月30日に発表されるが、男子は昨年4月のボストンで非公認ながら世界最速の2時間3分2秒をマークしたジョフリー・ムタイ、同10月のフランクフルトで世界歴代2位の2時間3分42秒で2連覇したウィルソン・キプサングら有力選手がめじろ押し。女子も2時間19分19秒の好記録を持つメアリー・ケイタニーらスピードランナーがそろう。

 国際陸連の公式サイトによると、ケニア陸連のアイザイア・キプラガト会長は「五輪参加標準記録Aを突破する男子150人、女子50人から各6人を絞り込む作業は簡単でなかった。安定感やペースメーカー不在でも勝てる能力、規律、忠誠心をチェックした」と説明した。

 代表選考をめぐり“お家騒動”を繰り返してきたケニアだが、北京五輪で故サムエル・ワンジルさんが同国初の金メダルを獲得。賞金レース以外でも国の名誉のために戦う意識が強くなった。キルイは五輪に向け「使命感を持って準備する」と決意を口にした。