<全国高校バスケット選抜優勝大会:弘前実73-67幕張総合>◇男子2回戦◇25日◇東京体育館

 男子で弘前実(青森)が幕張総合(千葉)に勝ち、2年連続のベスト16進出を決めた。前日24日の1回戦で前年王者の北陸(福井)を77-71で撃破。79年に準優勝した古豪が金星で勢いに乗り、この日も強敵を退けた。

 雪深い青森に2日連続のクリスマスプレゼントを贈った。第3クオーター(Q)からオールコートで激しく当たる。手を出し、足をかき、力の限りを振り絞った。リードを許して迎えた最終Q。佐藤壱成(2年)が3連続で3点シュート(3P)を沈めて同点に追いつく。再び離されても福沢大輝(2年)の連続3Pで逆転し、突き放した。小野公太郎監督(27)は「福沢の3Pは公式戦で初めてじゃないかな。宝くじを買わなくて良かった。100万円より大きいです」と大笑いした。

 前日24日にディフェンディングチャンピオンの北陸から金星を挙げた。強豪校からもマークされるエース山崎渉真(3年)が40得点15リバウンドと爆発し、この日も攻守にチームをけん引した。「昨日の勝利はリセットして戦った結果。今のチームは去年のベスト16から進化している」と山崎。この日も196センチのU-18日本代表候補、宍倉光(3年)を擁する幕張総合が相手。小野監督が「大会前は北陸戦のことしか考えてない。試合を決めた福沢の3Pも、北陸戦のために用意したプランですから」と言う通り、無心で戦った。

 山崎ら3年生4人は、小野監督が就任した09年に入学。一緒に成長してきた。学校にはコートが1面しかなく、それを女子部と合わせた計60人で共用する。平日も午後8時には体育館が閉館。時間を見つけて走り、福沢ら選手は個人練習を大事に、3Pを磨いてきた。

 小野監督は今大会最年少で、ベンチ入りに必要な日本バスケットボール協会のコーチ資格を持っていない。そこで同資格保有者で津軽中バスケット部コーチの父寿昭さん(61)が、アシスタントコーチとしてベンチ入り。「今年(本年度)中には取るつもりなんですけど…」と小野監督。父子でタッグを組んでの快進撃でもある。

 3回戦の相手はV常連の洛南(京都)。山崎は「また強豪に勝ってベスト8の目標を達成したい」と夢を膨らませた。【木下淳】