体操男子で史上最年少の世界選手権(9~10月・ベルギー)代表に選ばれたスーパー高校生の白井健三(16=岸根高)が28日、跳馬で大技の「伸身ユルチェンコ3回ひねり」を決めた。佐賀県総合体育館で行われた全国高校総体に出場し、予選で披露。世界の主要大会では成功例がなく、世界選手権で跳べば「シライ」と命名される。

 会場がどよめきに包まれた。159センチ、50キロと小柄な白井の体が宙に舞い上がり、着地も決めた。「試合でやらなければ自信にならない」と世界選手権の予行演習の一環で初挑戦し、15・400の高得点。「練習からいけると思っていた。着地で立てて自信になった」と喜んだ。

 この技は、ロンドン五輪金メダルの内村が10年の全日本団体・種目別選手権で成功している。今月の代表合宿でともに練習し「僕より余裕がある。ウチムラより、シライとついた方がいい」と言わしめた。今大会前には「(着地で)立てよ」とメッセージをもらった。五輪王者も認める高校生が、大きな1歩を踏み出した。