一貴7位、表彰台見えた/F1
<F1:日本GP>◇10日◇フリー走行◇富士スピードウェイ◇1周4・563キロ
ウィリアムズ中嶋一貴(23)が、上々の母国GPデビューを果たした。午後の2回目で1分18秒734を出し、6位ウェバーと同タイムの7位。1回目に続き、目標とするチームメートのロズベルグに先着した。決勝を想定したマシン設定にも成功。父悟氏が成し得なかった表彰台へ、これ以上ないスタートを切った。トヨタは、グロックが1分18秒383のトップタイムをマーク。ホンダはバリチェロの15位が最高だった。
普段の3倍近い報道陣に囲まれた中嶋が、目を白黒させながら口を開いた。「驚きですね。いい意味で」。予想をはるかに超える快走。本音が言葉になって表れた。
F1ドライバーになって初めて迎える地元レース。ホームの雰囲気は中嶋をリラックスさせた。午前の1回目はコースを思い出しながらの走りで10番手。「久しぶりの富士(スピードウェイ)を走りながら楽しんだ。得意のコースで思い通りに走れた」。過去に7度も走り、親しんだコースの感触を、体は覚えていた。午後の2回目は36周を走り、1分18秒734をマーク。7位に順位を上げた。
同僚のライバル、ロズベルグの存在も発奮材料になっている。F1では2年先輩で実績もはるかに上だが、同い年で、父が元F1ドライバーという境遇が重なる。「常にロズベルグが目標になる」と、この1年間は意識していた。そのロズベルグに2度のセッションとも先着した事実が中嶋の成長を物語っていた。
今レースのフリー走行は、いつも以上に決勝レースに直結する。11日の予選は降水確率30%の予報。晴れが予想される決勝のマシン設定は、この日が最初で最後になる可能性が高い。近年、テスト的な色が強くなっているセッションとは、意味合いが違う。マイケル技術ディレクターも「タイヤもレースの状況に合わせたセッティングができた。信頼性には何の問題もない」と断言。中嶋の上位進出に期待をふくらませた。
中嶋の父悟氏は87年、初めての日本GPで6位に入賞した。そんな父の成績と比較されても、「あまり意識していない」と言ってのける。「中嶋悟の息子」の看板は、もういらない。独り立ちした「中嶋一貴」が、今日も明日も富士を駆ける。【森本隆】
[2008年10月11日8時39分 紙面から]
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