アブダビで14日行われたF1シリーズ最終戦でフェラーリ(イタリア)のアロンソが7位に終わり年間総合優勝を逃したことに対し、イタリアのカルデロリ法律簡素化相は15日までに、レース失敗の責任があるとしてモンテゼモロ同社会長(63)の辞任を求めた。

 フェラーリは民間企業で、閣僚が辞任を求めるのは“お門違い”と批判の声も出た。次期総選挙でモンテゼモロ氏をベルルスコーニ首相の対抗馬として担ぎ出す動きがあることから、辞任要求は将来の政敵へのけん制とも受け止められている。

 モンテゼモロ氏はフェラーリのほか、経営危機にあった自動車大手フィアットのトップとして再建に成功。日本の経団連に当たるイタリア産業連盟会長も務めた。容姿も良く一時「抱かれたいイタリア人男性」調査の上位に入ったことも。

 野党民主党は12日、内閣不信任決議案を下院に提出しており、12月中に採決予定で解散総選挙が行われるとの見方が強まっている。モンテゼモロ氏は4月の世論調査で首相の対抗馬として望む人物のトップを占めた。その国民的人気から、中道勢力のリーダーとして立候補を求める声が日増しに強まっている。

 アロンソは最終戦まで総合トップだったが、タイヤ交換や燃料補給をするピットストップのタイミングのミスなどで大きく順位を落とし、総合2位にとどまった。