ラグビーW杯イングランド大会に出場中の日本代表のロックのトンプソン・ルーク(34)が「最後」の3度目のW杯で目標の8強進出へ死力を尽くす。ニュージーランド(NZ)から来日し12年目。「トモさん」と呼ばれ、親しまれる34歳はハッキリと言った。「今度が僕の最後のチャンス。(4年後は)無理、無理。これ最後」。日本の海外出身選手では最多の61キャップの保持者は優しく笑った。

 「(日本に)来たときは、日本で3回もW杯に出ることになるなんて全然思ってなかった」と話す。1、2年でNZに帰り、代表のオールブラックスを目指すつもりだったが、10年に日本国籍を取得。今や関西弁を話し、日本人の妻、2人の子どもと大阪に住む。「12年、早かったなと思う。まだ信じられへんねん。まだ日本語あんまりうまくしゃべれないけど。へたくそで、すんません」と笑い、196センチの体をすくめた。

 サイドラインからボールを投げ入れるラインアウトのジャンパー。今大会では1度もマイボールを奪われていない。サモア戦の勝負のポイントの1つはラインアウト。安定してこそ、日本は速い継続ラグビーを遂行できる。

 イングランドに入って約1カ月。「刺し身がないのがさみしいね」と冗談を飛ばしつつ、「僕の仕事はタックルとセットピース(ラインアウトとスクラム)。相手は関係ないね」と頼もしく話した。

 ◆トンプソン・ルーク 1981年4月16日、ニュージーランド(NZ)のクライストチャーチ生まれ。13歳でラグビーを始める。NZの国内リーグでプレーしてから04年に来日。三洋電機(現パナソニック)を経て近鉄。10年に日本国籍を取得した。196センチ、108キロ。