馬場馬術の「ジイジの星」、法華津（ほけつ）寛（７４）が２０日、都内で取材に応じ、７５歳４カ月で迎えるリオデジャネイロ五輪での史上最年長出場に挑む決意を明かした。

　「ロンドンの時よりも４つ年をとって、体力的には衰えているんじゃないかな。それでもリオで出られるように頑張っています」。今後は欧州での大会に参加し、６月の最終選考会までに日本馬術連盟が定める最低基準突破が最低条件となる。日本代表に選出されれば、１９２０年（大９）アントワープ（ベルギー）大会の射撃で銀メダルを獲得したオスカル・スバーン（スウェーデン）の７２歳１０カ月を更新する。

　１３年１１月に相棒ウィスパー号が死んだ。０８年北京、１２年ロンドン五輪で人馬一体となって参加しただけに、懸命の治療、リハビリもともに闘った。「ウィスパーで馬は最後にしようと思っていたんだけど、これからどう暮らしていこうかという怖さがあってやめられなかった。もう少し続けようかと。馬術って、年寄りも（五輪に）出られるんだっていうのを、もう１度伝えられればいい」。リオでは新コンビのザズー号で挑む。

　現在はドイツ、オランダを拠点となっている。競技復帰に向けて、朝夕約１時間ずつのストレッチと筋トレ、夕方の約１時間のウオーキングやランニングは欠かさない。昨年末に誕生した、待望の初孫ひゅうごちゃんの存在にも「本物のジジイになりました」と目尻を下げるなど、大きな活力となっている。１９６４年（昭３９）東京五輪に障害馬術で初出場後、リオでは４度目出場に挑戦する。２０年東京五輪の期待も膨らむが「そりゃ無理でしょ」と笑った。まずはリオまで馬術に全力を注ぐ。