18年平昌五輪の新種目に注目だ。14年ソチ五輪スノーボード男子スロープスタイル代表の角野友基(19=STANCER)が27日、ノルウェー・オスロで行われた冬季Xゲームのビッグエア決勝で90・66点をマークし、初優勝した。ビッグエアは平昌五輪で初採用される種目。世界最高峰の大会を制し一気に金メダル候補に躍り出た。

 角野が世界の空を制した。平昌五輪で初採用されるビッグエアは、斜面を真っすぐに滑り降り、大きくジャンプして技を競う。予選を5位で通過し、迎えた決勝の1回目から大技を繰り出した。オスロの夜空高く舞い上がると、最高難易度のバックサイド・トリプルコーク1620(体の回転軸をずらしながら縦3回転・横4回転半)を完璧に決め、90・66点をたたき出しトップに立った。

 メダルを考えれば1回目は無難な技の安全策を選択しても不思議はないが、勝負に出た。逆転を狙ったライバルのパロット(カナダ)が、2回目に角野と同じ技に挑戦するも失敗し、初めてXゲームの頂点に立った。自身のフェイスブックで「この大会で優勝できたのはほんまに夢のようで最高の瞬間でした」と記した。

 スロープスタイルで出場した昨年3月のUSオープンで優勝。その流れに乗り、先週行われたAIR+STYLEロサンゼルス大会で連覇を果たし、今季も好調を維持する。14年ソチ五輪スロープスタイルで8位に終わり、悔しさを味わった第一人者は、それをバネに世界を転戦し、技に磨きをかけてきた。この優勝で角野が2年後の金メダル最有力候補に浮上した。

 ◆角野友基(かどの・ゆうき)1996年(平8)5月18日、兵庫県三木市生まれ。8歳からスノーボードを始め、11歳でプロ転向。12年12月のストレートジャンプコンテスト「エア&スタイル」でアジア人初優勝。12~13年シーズンW杯スロープスタイル総合優勝。14年ソチ五輪男子スロープスタイル8位。冬季Xゲームのビッグエアではこれまで2位1度、3位2度。173センチ、64キロ。

<18年平昌冬季五輪の新種目>

 ◆スノーボード(男女ビッグエア):傾斜になった助走路を滑走して踏み切り台から飛び出し、エア(技)の高さや距離、難易度や完成度などで採点される。

 ◆アルペンスキー(混合団体):各チーム男女各2人の4人が出場。トーナメント形式で対戦し、タイムの速い勝者の数が多いチームが勝ち上がる。

 ◆スピードスケート(男女マススタート):滑走者が一斉にスタートし、400メートル×16周を滑る。4、8、12周通過時と最終ゴール時の各先着3人に与えられるポイントの合計で順位を決める。

 ◆カーリング(混合ダブルス):男女各1人でチームを組み、各エンド5投、第8エンドまで争い、あらかじめ両チームのストーンを1個ずつ決められた位置に置き、スタートする。