2018年の開幕戦に臨んだトロロッソ・ホンダの予選は、2台揃ってQ1敗退という無残な結果に終わった。しかし内容は決してその結果ほど無残なものではなかった。

 予選Q1最後のアタックでミスを犯し、僅か0.029秒差でQ2進出を逃し16位に終わったブレンドン・ハートリーは、悔しそうな表情の中にも明るい手応えを見せた。

 「クルマのフィーリングは良かったんだ。だけど1周を上手くまとめることができなかった。路面のグリップ向上幅を過小評価してしまって、ターン1のブレーキングが早すぎたんだ。それでターンインを待つようなかたちになってしまって、0.2=0.3秒失ってしまった。充分にQ2に進めたはずだし、クルマが良かっただけに本当に残念だよ。でも全てをまとめられればタイトな中団で充分に戦えるというのが分かったのはポジティブだよ。明日の決勝も自身初ポイント獲得を目指すという目標は変えないで臨むよ」

 一方、Q1最後のアタックで攻めすぎてターン3のブレーキングでタイヤをロックさせてコースオフし、20位に終わってしまったピエール・ガスリーは大きく落胆していた。

 「ターン3までで僕はブレンドンより0.2秒速かったんだ。だけどQ2進出を意識してターン3でプッシュしすぎてしまったんだ。最初のランよりブレーキングを5m奥に遅らせたら、アウトラップで思うようにタイヤを温められていなかったこともあってロックアップしてそのままコースオフしてしまった。Q2に行けるポテンシャルがあっただけに、すごくガッカリしているよ、すごく残念だ」

 ホンダとしてはパワーユニットの性能はフルに引き出すことができたようだ。田辺豊治テクニカルディレクターはこう説明する。

 「特に問題なくセッションを進められましたし、ドライバビリティも昨日に比べて改善できているねっていうのはFP-3を終えた時点ですでにありました。そういう意味では持てる力を出し切れたと言えると思います。3日間で100点になるように、一日一歩ずつ、昨日も今日もトラブルなく終わったということで66点です」

 明日の決勝レースは58周の長丁場となるが、メルボルンは半公道サーキットだけにアクシデントも起きやすく荒れることが多いだけに、堅実なレースを心がけたいと田辺テクニカルディレクターは語った。

 「かなり接近していますから今日はちょっとしたミスが結果に響いてしまったと思いますが、逆に言えば接近しているからこそ何かがあれば逆転できるチャンスも出てきますから、明日はそういうところを確実に掴んでいきたいと思います。まずは確実に完走することを第一の目標に据えて戦っていきたいと思います」(米家峰起通信員)