バレーボールの日本女子代表候補が5月13日、東京・味の素トレセンで記者会見と公開練習を行った。

 アテネ五輪代表で結婚、出産を経た山本愛(27、旧姓大友)が、5年ぶりに代表候補復帰、28日からの欧州・ブラジル遠征のメンバー15人にも名を連ねた。

 山本は「(代表チームに)行くからには、中途半端なことはできない」と、覚悟を決めての合流。長女美空(みく)ちゃん(3)は、仙台市の実家に預けてきた。5年前に比べて、自らの身体は「むくみやすくなったし、冷え性も出てきた」と変化したし、「ジャンプ力や判断力も、以前とは違う」と話す。半ば不安を抱えながらも、背中を押してくれたのは、美空ちゃんの言葉だった。代表候補入りが決まった数日後「将来、バレー選手になりたい」と言ったという。ともに過ごす時間を削ってしまうバレーボールを嫌うどころか、好きになり、理解してくれたのだ。

 代表チームを離れていた間、「世界のバレーも変わったと思う」と山本。同時に「以前は力任せにスパイクを打っていたけど、今は頭も柔軟になって、コースを狙ったり、フェイントをかけられる」と自身のプレーも幅が広がった。12年ロンドン五輪の時は美空ちゃんは6歳になる。「ロンドンまでは頑張らないと」。晴れ姿を愛娘に見せたい一心での再出発だ。