<柔道:第36回全国高校選手権>◇最終日◇男女団体戦◇21日◇東京・日本武道館◇日刊スポーツ新聞社後援

 天理大柔道部を率いる正木嘉美監督(51)の長男聖悟(2年)が、復活優勝を目指す天理の一員として出場した。

 先鋒(せんぽう)として小川雄勢(2年)の修徳と対戦した準々決勝で敗退。「僕が勝てば、流れも変わったはず」と相手の一番手、佐藤竜(1年)との引き分けを悔やんだ。

 父は85年世界選手権無差別級王者。全日本選手権を2回制した名選手で、小川の父直也氏とも88年ソウル五輪代表の座を争った。小学校時代は競泳でジュニアオリンピックにも出場した聖悟だが、中学からは柔道に専念。「おやじのことはよく言われるけれど、プレッシャーはない」と話す。

 体重は78キロで、現役時代の父(150キロ)の半分。「階級もタイプも違いますから」。それでも「芸術」と言われた父の出足払いは「やりたいと思う」と話した。昨年までは73キロ級だったが、今年からは81キロ級に挑戦。今大会の個人戦は奈良大会決勝で敗れて出場できなかったが「高校総体で優勝する」と言い切った。

 もちろん、目標は6年後の五輪。「おやじが出られなかった五輪に出たい。まずは2年後のリオ。東京では金メダルをとりたい」。小川や古賀ら2世選手の活躍に刺激され「僕は遅咲きってことで。これから頑張ります」と話していた。