東京の16年五輪招致に失敗した石原慎太郎都知事が4日朝、帰国し、都庁で会見に臨んだ。「満足とはいえないが、十分戦い尽くした充足感はある」としながらも「私なりの情報では、五輪選考では目に見えない非常に政治的な動きがある。昔の自民党総裁選みたいなもの」と指摘し、候補地選考の激しい戦いの現実を、あらためて振り返った。一方で「帰りの飛行機で泣いたよ」と、告白。1泊3日の弾丸ツアーで応援に来た都民らに機内で激励され、「同じ日本人の熱い心のきずなを感じた。不覚ではなく気持ちのいい涙だった」と述べた。

 20年五輪の招致については「経験の内容やデータを詳細に発表し、ことの認識を持ってもらった上で民意を斟酌(しんしゃく)する。私たちが一方的に決めるものではない」と指摘。公表した150億円を超えるとされる招致活動費について「都民の前に(内訳を)明らかにすることが最低限の責任」と述べた。