<男子テニス:サラソタ・オープン>◇15日◇米フロリダ州サラソタ

 錦織圭(20=ソニー)が2週連続優勝で完全復活へののろしを上げた。世界132位のブライアン・ダブル(アルゼンチン)に2-6、6-3、6-4で逆転勝ち。前週の米サバンナ大会から負けなしの10連勝を成し遂げた。この優勝で、345位の世界ランクは、17日発表の最新で250位前後に浮上することが確実となった。錦織のツアー下部大会優勝は通算3勝目。

 エア・ケイの快進撃が止まらない。前週から破竹の10連勝。ツアー下部大会とはいえ、2週連続優勝は復活への大きなステップだ。「またもや優勝してしまいました。この2週間、体も大丈夫で、本当にうれしい」。1年近く実戦から離れる原因となった右ひじの痛みも、10試合戦って再発していない。

 第1セットは、クレー(土)コートを得意とする相手に左右に振り回され、返すのが精いっぱいだった。しかし、第2セットから「少し積極的に攻めていこう」と気落ちを切り替えて逆転勝ちした。実戦から離れた09年の3月以来、本格的な復帰は4月中旬のツアー下部、米バトンルージュ大会が最初だ。それからわずか4大会で、2度のベスト8に優勝。14勝2敗の驚異的な勝率で、なくなった世界ランクをわずか1カ月で一気に250位前後に戻すことは確実だ。

 現在、男子の世界ランカーは約1750人。たった1カ月で、1500人ほどをごぼう抜きにしたことになる。「この何週間で、ここまで来られたのはうれしい」。23日開幕の4大大会全仏オープンには、本戦確定者から欠場者が4人出れば本戦入りする位置にいる。予選はエントリーしていないため、本戦出場が確定しなければ、全仏は大事を取って見送る意向だ。それでも、再びエア・ケイが世界に羽ばたく日は、そう遠くない。