24日に閉幕した体操の世界選手権(オランダ・ロッテルダム)で男子個人総合2連覇を達成した内村航平(21=日体大)に26日、12年ロンドン五輪「金メダル5個」獲得指令が下った。男女の日本代表が都内で帰国会見に臨み、塚原光男団長が「内村時代は当分続く。ロンドンでは1人で最大金5個」と仰天の目標を明かした。

 今大会4つのメダルを獲得した内村にとって、決して実現不可能な目標ではない。連覇を達成した個人総合の頂点は揺るぎない。銀メダルに終わった団体も、金メダルの中国との差を北京五輪の7・250点差から1・229点差に縮めた。「来年の東京の世界選手権では金を取れる」と塚原団長。残り金3個は種目別。今大会銀メダルの床運動、同銅メダルの平行棒、さらに得意の鉄棒でも金メダルが狙える。1大会で金5個を獲得すれば、68年メキシコ大会男子体操の中山彰規の4個を抜いて、日本五輪史上最多となる。金メダルの報奨金も、体協と日本オリンピック委員会から各1500万円を支給されるため、合わせて3000万円の大金を手にすることになる。

 内村も「ロンドン五輪まで、どんな選手がきても大丈夫としておきたい」と前向き。すでに鉄棒では最高G難度の伸身コールマンの練習に着手するなど、さらに上のレベルを目指している。世界のエースに死角はない。【吉松忠弘】