フィギュアスケートの「東日本大震災チャリティー演技会」が9日、神戸市内で開催された。モスクワで代替開催される世界選手権(24日開幕)で2連覇がかかる高橋大輔(25)らが中心となって12選手を集め、募金活動なども行われた。

 仙台出身で昨年の世界ジュニア優勝の羽生結弦(ゆづる、16)は、震災時は宮城県内で練習中。スケート靴のまま避難したという。4日間は避難所生活を余儀なくされ「人間の無力さ、自分の街が崩壊していく悔しさ、恐怖を感じました」と振り返った。「この思いをぶつけたかった」と力強い滑りをみせた。

 06年トリノ五輪金メダルの荒川静香(29)も復興の願いを込めてイナバウアーを披露した。「立ち上がろうとしている人に力を送り続けたい。自分がいた場所を思いながら滑りました」。荒川は高校まで宮城県で過ごし、震災後には避難所を訪問している。

 この日の募金とオークションで計1272万7838円が集まり、入場料収入と合わせて被災地に送られる。