<男子テニス:国別対抗戦デ杯ワールドグループ入れ替え戦>◇最終日◇18日◇東京・有明コロシアム

 日本が27年ぶりに世界グループ復帰を決めた。第1試合でエースの錦織圭(21=ソニー)が、ストレート勝ち。日本は3勝1敗として、最終試合を待たずに、世界のトップ16カ国で構成される世界グループ入りを決めた。錦織は、第1セットこそ相手の強サーブに手を焼いたが、地力の差を発揮して、世界456位のバルドハンに7-5、6-3、6-3で勝った。12年の対戦国は21日に決まる。

 最後は、やっぱりエースが締めた。錦織は5度目のマッチポイントでサービスエースを決めると、両手を突き上げた。「非常にうれしい。次の世界グループがすごく楽しみ」。勝利が決まると、日本チームの輪の中に飛び込み、竹内監督としっかりと抱き合った。

 この日の朝、対戦が予定されていたデブバルマンが右肩の故障で欠場。代役のバルドハンは、見たことも対戦したこともなく「少しびっくりした」。世界ランク以上に安定したプレーと強サーブで、第1セットは錦織を苦しめた。しかし第11ゲームの相手のサービスゲームを破ると、そのまま押し切った。

 改良中のサーブが絶好調だ。今対戦、2試合で1度もサービスゲームを落とさず。前回のウズベキスタン戦から28ゲーム連続サービスキープを続け、全く危なげないプレーを展開。「落ち着いてやれば大丈夫と心配していなかった」と、貫禄勝ちだ。

 最後に日本が世界グループで戦ったのは85年。今大会の代表全員が生まれていない。「デ杯に対する思いが、どんどん大きくなってきた」。錦織を中心とした若き日本男子が、四半世紀を経て、新たな日本テニスの歴史を築き始めた。【吉松忠弘】