ノルディックスキー・ジャンプ女子で日体大体育学部の「飛び入学試験」に合格していた高梨沙羅(17=クラレ)が日体大への進学を正式に決めたことが11日、分かった。これまで進学するか、どうかの結論を保留してきたが、ゴールデンウイーク明けに再度、大学側と話し合い決断した。所属先はクラレのままだが、晴れて「女子大生」となり18年平昌五輪を目指す。

 普通の学生よりも約1カ月遅れの入学となった。ずれ込んだのは、競技を中心に考え、家族や関係者らと、競技と学業とを両立していく最善の策を模索してきたから。進学すれば肉体や動作など競技に対して、より深く知ることになる上、将来的な選択肢も広がることから、高校3年生に相当する今年の飛び入学を最終的に決めた。

 学校へは普通の学生と同様に通学し、数学などの一般教養のほか、専門分野の単位を取得していく。6月には寮に入る予定だ。2月のソチ五輪で4位。W杯個人総合を2連覇した女王は、約1カ月の遅れを取り戻すため、これまで以上に競技と学生生活に、多忙な日々を送る。

 高梨は12年4月に北海道・旭川にあるグレースマウンテン・インターナショナルスクールに進学。入学から約4カ月で文部科学省が実施する高校卒業程度認定試験(旧大検)に合格。今年3月上旬、日体大が今年初めて行った飛び入学試験に合格していた。この日、高梨は契約するスキーメーカー「エラン」の拠点であるスロベニアに向け出発。スポーツ界初の「飛び入学」で飛躍につなげる。<高梨の入学までの経緯>

 2月11日

 ソチ五輪女子ノーマルヒルに出場し、4位。

 同14日

 ソチから帰国。

 3月上旬

 日体大の飛び入学試験を受験。

 3月中旬

 大学合格。

 3月25日

 W杯の全日程を終え、帰国。両親が大学側と話し合いも結論出ず。

 4月2日

 イベントに出席。マネジメント会社が、進学について「保留」と話した。

 同3日

 日体大で行われた入学式に出席せず。