<ラグビー・トップリーグプレーオフ:ヤマハ発動機41-12神戸製鋼>◇準決勝◇24日◇大阪・花園ラグビー場

 リーグ4位のヤマハ発動機が、首位通過した神戸製鋼を破り、決勝に進んだ。昨年12月のリーグ戦では30点差で敗れたが、ほぼ不動のメンバーでひっくり返し、初優勝へ王手をかけた。

 ノーサイドの笛が鳴り響いた瞬間、ヤマハ発動機のベンチからは大勢の選手が両手を掲げ、グラウンドへなだれこんだ。就任4シーズン目の清宮監督は「うちのプレーをやりきれば勝てると信じていた。ベストメンバーで戦えたことが大きい」と目尻を下げ、初優勝まであと1勝としたフィフティーンを迎えた。

 リーグ戦では10-40で完敗したが、そこから接点の強みを生かし、トライ奪取に重点を置いた3連勝で4強に滑り込んだ。故障のない固定メンバーは好調を維持し、タックル、スクラムなど肉弾戦で主導権を握った。フランカー三村主将は「前回で相手がどういう戦い方をするかは分かっていたので、余裕を持てた。接戦になると思っていたので、自分でも驚きです」と振り返った。

 前半12分、神戸製鋼のラインアウトにFW陣がプレッシャーをかけ、ルーズボールをSH矢富が奪い、顔に相手選手のスパイクを受けながら先制のトライ。相手が主力2人を欠く中、以降も流れを渡さなかった。後半はワイドに展開した攻撃で守備網を破り、さらに4つのトライを重ねた。

 前半36分に約50メートルのPGを決めたFB五郎丸は「チームの成長を実感している。優勝してもっと喜びたい」と頂点に向け、意気込んだ。三村は「春から目標としてきた優勝に向けて、チーム一丸となって最高の準備をして臨みたいです」と頂点を見据えた。