玉ノ井親方(元関脇栃東=65)が2日、日本相撲協会を定年退職し、名跡と部屋を次男で栃東親方(元大関=32)が継承した。

 玉ノ井親方は1960年(昭35)秋場所前に春日野部屋に入門。小兵ながら前みつを取り、頭をつける相撲で3賞計10度、幕内優勝1度を飾った。引退後は春日野部屋の部屋付き親方となり、90年初場所後に念願の部屋持ち親方となった。「自分の形を持てば小さくても勝てる」を信念に栃東を含めて6人の関取を輩出。師匠として最後の日となったこの日も「下からガーッと攻めろ。足を使って押せ」などと繰り返し言って弟子を指導した。

 今後も同部屋に栃東親方夫婦、弟子たちと同居。今後については「ちょくちょくけいこ場には顔を出しますよ。栃東もスカウトやら協会の仕事やらで忙しいからね。でも、これからは好きなゴルフに朝から気兼ねなく行けるね。もっとスコアをよくしたいから頑張らないと」などと話した。玉ノ井親方のベストスコアは71。エージシュートも夢ではなさそうだ。