30日に東京・両国国技館で行われた日本相撲協会の役員改選は、理事選挙が2期連続で投票となり、ともに立浪一門の友綱親方(元関脇魁輝)と伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)が落選した。同一門の当選は春日山親方(元幕内春日富士)1人だけで、一門内の調整がまとまらなかった影響がはっきり出た。

 6票の友綱親方は、7票で当選した九重親方(元横綱千代の富士)に一歩及ばなかった。伊勢ケ浜親方が事前に辞退を申し出たため、定員10人を事実上11人で争う形に。一騎打ちで敗れた形の友綱親方は「相手が九重親方だから負けて悔いはない。横綱に立ち向かう平幕力士のようなものですから」とさっぱりとした表情で話した。

 “辛勝”で理事に復帰した九重親方は「やる気になってまた頑張っていきます。(立会演説会では)自分の思いを話した」と淡々と話した。

 伊勢ケ浜親方は「一門の和を乱したくなかった」と辞退の理由を説明。立候補を届け出た後の取り下げは認められず、同親方は得票ゼロに終わった。選挙管理委員長を務めた友綱部屋付きの武隈親方(元関脇黒姫山)は「最後の選挙なのにまとまれなかった。残念だし、それは(立候補した)当事者がそれぞれ感じているはずだ」とうなだれた。