日本相撲協会から解雇処分を取り消された蒼国来関は3日、東京都内のホテルで空色の着物に身を包んで記者会見に臨んだ。「この2年間、つらい思いをした。うれしい。あしたからまわしを着けたい」と感慨深げな表情を浮かべた。

 係争中は「なぜ、この場所にいないのだろう」という思いから相撲中継を見ることができない時期もあった。それでも社会人ラグビーチームの練習に参加するなどし、処分を受けた当時の体重135キロを保つ。「目標は横綱とはいえないが、前向きにやりたい」と復帰の土俵を思い描いた。

 中国の内モンゴル自治区の実家には一報を待って親戚も集まり、蒼国来関が電話で連絡を入れると沸き上がったという。会見に同席した師匠の荒汐親方は「相撲協会に恨みはない。自分の信念を2年間、よく貫いたと思う」と涙ぐみ、弟子を褒めたたえた。

 代理人の小松初男弁護士によると、弁護団が7月の名古屋場所の復帰に合わせて化粧まわしを贈る。