貴乃花親方(37=元横綱)が、03年秋場所10日目以来、6年4カ月ぶりにNHK相撲中継の解説をした。土俵正面の放送席に座り「現役の時以上に緊張した。臨場感があり、あそこ(土俵)で相撲を取っていたんだなと思いました」と、少し興奮した様子。「力士の特徴を私なりに言おうと思いましたが、間の取り方が難しかった。もう少しよく話せるように勉強します」と反省も口にした。

 放送では88年春初土俵の同期・魁皇の相撲に「必死さにすてきなものがある」と絶賛。優勝争いには「明日の琴欧洲-把瑠都がカギになりそう。把瑠都は半歩でも下がらないという大きな相撲を取って欲しい」と期待した。

 解説中に、所属する二所ノ関一門を離脱して日本相撲協会理事選に立候補することも、ふられた。「角界に役立てればと常々思っています。これから学んでいくことは多い。既存のものを大切にしていく中から新しいものが出てくる」などと、これまでの考えをあらためて電波にのせた。

 終了後、観客から「理事選、頑張れ」の声もかかり「(放送では)精いっぱいの答えをした」と話した。理事選立候補の届け出用紙は昨日手に入れた。「普通に名前を書いて…このへんで勘弁してください」と、多くは語らなかった。