日本相撲協会は27日、愛知県体育館で大相撲秋場所(9月11日初日、東京・両国国技館)の番付編成会議を開き、名古屋場所で幕下全勝優勝した直江改め皇風(きみかぜ、24=尾車)ら6人の新十両と、3人の再十両昇進を決めた。八百長問題の影響で削減されていた関取4枠を元に戻すことによる大量昇進で、協会広報部によると9人の昇進は、戦後では八百長関与力士が去った穴を埋めた先場所を含む過去2度の13人、47年秋場所の10人に次ぎ、48年夏場所などと並ぶ多さ。

 皇風が早大出身として元関脇笠置山以来78年ぶりの新十両となり「まだ実感がない。夢のよう」と喜んだ。新しいしこ名は尾車親方(元大関琴風)の「“王”の上に白星を重ねてほしい」との願いで「皇」が付けられた。大学2年で左肩を負傷し、3年で相撲部を退部。就職活動も行ったが相撲への情熱が捨てられず、在学中の09年初場所で初土俵を踏んだ。早大スポーツ科学部で教えを受けたレスリング五輪2大会連続銀メダリストの太田章教授(54)からもエールを受け、名古屋場所で幕下優勝。「さらに大学の名を大きくできるように」と意気込んだ。