<大相撲九州場所>◇2日目◇14日◇福岡国際センター

 得意の逆転で、小結豊ノ島(28=時津風)が勝った。琴欧洲に攻め込まれたが左からすくって体を入れ替える。すかさず、顔から落ちる勢いで、押し出した。「サーカス」と振り返る綱渡りで、初日の把瑠都に続いて、大関を破った。

 九州場所は、相性がいい。昨年は14勝1敗で準優勝。一昨年は技能賞を獲得するなど、5年連続で勝ち越している。沙帆(すなほ)夫人との披露宴を場所前に開くなど、発奮材料にも事欠かない。今日3日目は、大関とりがかかる稀勢の里戦。「自分が勝って、あとは(稀勢の里が)全部勝ってほしい、そういう気持ちです」と、最高のシナリオを描いた。

 稀勢の里、大関琴奨菊とは新弟子時代、相撲教習所で机を並べたライバルでもある。「来年は11年目。ちょうどいい区切りだし、勝負をかけていこうかと思う。菊、キセに後れを取らないように行きたい」。今場所注目される2人に負けじと奮起した。【佐々木一郎】