<大相撲初場所>◇4日目◇11日◇東京・両国国技館

 大相撲初場所(東京・両国国技館)の4日目に、三役格行司の木村庄三郎(61=大島)が、大関把瑠都(27)が小結若荒雄(27)を送り倒した取組で巻き込まれ、土俵下へ転落し頭部を強打した。約5分間、意識はもうろうとし横たわったまま動けず、担架で相撲診療所へ運ばれた。直後の取組で新大関稀勢の里(25=鳴戸)が初黒星を喫した。

 館内のざわつきが収まらない中で、新大関稀勢の里が大関初黒星を喫した。豊ノ島に押し出しで敗北。突き放したが押し込みきれずにはたきを繰り返し、上体が浮いたところを懐に入られた。「手押しだった。ああいう時こそ下からいかないと」。過去16勝6敗で、5連勝中だったお得意様に苦杯。「守りに入ったらダメ。もっと攻めていかないと」と悔やむ言葉を並べた。

 直前の取組で、行司が転落するハプニングが発生した。土俵下で待っていた稀勢の里も「心配ですね。頭を打ったの?」と気がかりな様子。タイムラグができ、約5分間も待つ形になった。影響を聞かれて「それはない。いつも通りやった結果。しっかり受け止めて」と話したが、集中力の維持が難しい場面だった。

 この日は出身地の茨城・牛久市から後援会員135人がバス3台で応援に駆け付けた。大関昇進後に会員数が急増。70人増えて570人となった。地元の星に期待が集まったが、くしくも今場所唯一の来場日に土がついた。昨年九州場所前に急逝した先代親方(元横綱隆の里)の新大関場所と同じく、初日からの連勝は3でストップ。「また明日からですね」と切り替えに必死だった。【大池和幸】