大相撲初場所(来年1月12日初日、東京・両国国技館)で綱とりに挑む大関稀勢の里(27=田子ノ浦)が、正月返上で稽古に励むことになった。千葉・松戸市の旧鳴戸部屋から26日に引っ越して、27日から稽古を再開したばかり。慌ただしさが残る年の瀬だが、田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)は28日の稽古後「できるだけたくさん稽古させたい。31日まで考えている。年始は2日から」と明かした。

 鳴戸部屋時代も大みそかまで稽古することはあったが、大掃除が控えていたため軽めだった。だが今年は、移った東京・墨田区の旧三保ケ関部屋を使用するのは6日間だけ。大掃除の必要もほとんどない。この日は幕内高安と計25番(17勝8敗)取り、稽古終了時刻は午前11時20分。ほかの部屋は休みとなる31日も、同様の稽古量になりそうだ。

 前夜、部屋の近くに借りた新居へ引っ越しを完了した稀勢の里は「気合、入っているでしょ」と笑いつつ「年末年始もそう(稽古)でしょ」。今年はテレビ解説を務めたアメリカンフットボール日本一決定戦「ライスボウル」も、来年1月3日の試合は見に行かないという。年明けから、綱が懸かる初場所に向けて集中する。だから今は「徐々に徐々に、焦らずに」と言い聞かせた。【今村健人】