法大大学院の政策創造研究科に合格した横綱日馬富士(29=伊勢ケ浜)が12日、東京都新宿区の校舎で初めて授業を受けた。大学カラーのオレンジ色のノートを抱え「大学と違い、書くよりも聞くことが多い。データや写真を見ながら楽しかった」と笑顔。「日馬富士公平です。皆さんと一緒に勉強できて光栄です」と自己紹介した。「地域産業プログラム」のゼミでは国内外の都市変化について院生の発表を聞くなど、20~50代の学生らと約1時間学んだ。

 モンゴル名の本名で呼ばれ、他の学生に緊張感を与える存在になりつつある。担当の岡本義行教授(66)からは「相撲という伝統の世界に入っているが、狭い世界でもある。視野を広げさせたい」と期待された。

 群馬・前橋巡業終了後、車や新幹線を乗り継いで通学したが「相撲も稽古も大好き。勉強は趣味。嫌なことは一切ない」と希望に満ちていた。今後は平日夜に週2回のペースで数時間受講して、4年間で修士課程を修了する予定。学生割引にも興味を抱き「必ず1回は電車で通う。映画とかも試したい」。早速、授業後は教授や同級生と食事会も楽しんだ。【鎌田直秀】

 ◆日馬富士公平(はるまふじ・こうへい)本名ダワーニャム・ビャンバドルジ。モンゴル・ウランバートル市生まれ。昨年、モンゴルの国立法科大学通信課程を卒業した。家族はバトトール夫人と2女1男。185センチ、133キロ。