大相撲の夏巡業は8日、茨城・石岡市で始まり、関脇以下の力士は事前に稽古相手を決めて申し出る「申告制度」が導入された。従来の自由に名乗り出る申し合いから、2人で取り続ける三番稽古や、3、4人でのグループ稽古に変更。横綱、大関を除き、相撲を取らない力士は土俵周りに来る必要はなく、立っているだけの力士が排除された。

 狙いは(1)自発的に強くなろうとする力士で土俵を充実させる(2)稽古しない力士を外して観客に見やすくする-。尾車巡業部長(元大関琴風)は「ダラダラした稽古を見せるのは良くない。サボっても、自然と淘汰(とうた)されるのがこの世界。やる気ある者が土俵に来た方が、お客さんにいい稽古を見せられる」と話した。

 初日に土俵を囲んだ力士は十数人。豪風と宝富士の三番稽古に始まり、常幸龍と栃乃若、高安が3人で稽古。続けて大関稀勢の里がこの3人と相撲を取った。ただ、最後は時間が余り、大砂嵐と照ノ富士が急きょ稽古する一幕もあった。

 豪風は「同じ相手と集中してやる方が番数をこなせる」と賛同も、常幸龍は「上位に自分からはなかなかお願いできない」と苦笑い。横綱白鵬は「両方すればいいんじゃないか。ベテランや元気者などで分けて、最後に申し合いで横綱に胸を借りると」と提案した。【今村健人】