審判部の勝負判定を批判した横綱白鵬(29=宮城野)は29日も無言を貫いた。東京・墨田区の宮城野部屋で、自身が主催する少年相撲「白鵬杯」に出場する米国チームの稽古に姿を見せた。午後6時すぎに迎えの車に乗り込む際、前日の3倍の30人ほどの報道陣が殺到したが、部屋の若い衆に守られて、入り口に横付けされた車で足早に去った。

 北の湖理事長(元横綱)は両国国技館で開かれた理事会後、師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)に直接、注意した。これまでは電話でのやりとりだけだったが「師匠に会って、言動について厳重に注意しました。力士の監督は師匠。責任を持ってやってもらいたい」と重ねて厳しく断じた。

 理事会では一部から問題の経緯などに質問が出たという。宗像紀夫外部理事(元東京地検特捜部長)は「偉業を達成しただけに、もう少し慎重に」と話した。