<水泳世界選手権:競泳>◇25日◇上海

 背泳ぎのエース入江陵介(21=イトマンSS)が、男子100メートル準決勝を2位で通過した。前半50メートルを抑え気味に4番目で入ると、後半加速して53秒05の好タイムをマーク。今日26日の決勝で今大会日本選手第1号の金メダル獲得を目指す。

 金メダルへ、入江が強さを見せた。50メートルの折り返しは4位争い。しかし、最後の25メートルが強かった。軸のぶれない泳ぎで加速すると、じわじわと順位を上げ、スタラビウス(フランス)に続いてゴール。昨年1月の高速水着禁止後の自己最高タイムに「いい感じだった。タイムも良かったし、落ち着いて泳げました」と話した。

 思い描いた通りのレースだった。50メートルが得意なスプリンターが多く出場する100メートル。「みんなが前半速いのは分かっていた。後半勝負のつもりだったし、最後の25メートルには自信があった」と言った。スタートで深く潜り過ぎたが、焦りはなかった。予選の53秒99から1秒近くもタイムを上げての決勝進出。「まだ上がると思う」。手応えをつかんだ様子で話した。

 得意なのは200メートル。09年ローマ世界選手権では銀メダルに輝いた200メートルに対して、準決勝を3位で通過した100メートルは4位だった。しかし、真のエースとなるために、北島のように100も200も勝つことが目標。「(古賀)淳也の分まで泳ぎます」と、敗退した前回王者を思いやって言った。「やっと100メートルの泳ぎ方が分かってきた」という入江が、まず100メートルで1冠を目指す。