奈良産業大(奈良県三郷町)硬式野球部の元監督(50)が経営する整骨院の療養費不正受給問題で、奈良県警が詐欺容疑での立件を視野に、元監督らを任意で事情聴取していることが17日、捜査関係者の話で分かった。

 捜査関係者によると、部員に白紙の療養費申請書を渡し署名させていた前監督らも任意で聴取。県警は無資格で施術した野球部OBについても柔道整復師法違反の疑いがあるとみている。

 奈良県などによると、元監督は2006年に整骨院を開設。部員の氏名を使って架空の申請書を作成し、約2年間で約4200万円を不正受給した。

 近畿厚生局と県は、近く元監督らを詐欺容疑で告発する方針。元監督と整骨院の施術管理者として登録されていた整復師3人に不正受給全額の返還を求めており、ともに返還の意思を示しているという。整復師には保険給付請求の資格を5年間停止する処分を通知した。