<社会人野球日本選手権九州地区予選:ホンダ熊本2-0九州三菱自動車>◇第2代表決定戦◇9日◇山鹿市民

 ホンダ熊本の7番熊丸武志(24)が、3試合連続場外本塁打で九州三菱自動車を破り、2年ぶり10度目の全国切符をゲットした。2回戦で敗退し、敗者復活1回戦から5試合を勝ち抜いて第2代表になったホンダ熊本は、第1代表の沖縄電力、九州大会を制したJR九州とともに、日本選手権(11月13~23日、京セラドーム大阪)に出場する。

 第1打席の初球を、迷いなく振り抜いた。2回表1死、熊丸の打球は98メートルの左翼線に沿うように鋭く伸び、ポールの内側ぎりぎりを通って芝生席を越えた。投手戦の行方を決めたソロは、敗者復活3回戦から3試合連続の場外アーチだ。「1大会2発も初めてだったのに、3本とも場外なんて。一から体をつくった結果だと思う」。この1年で厚みの増した胸を張り、熊丸は笑顔を見せた。

 先頭、クリーンアップの経験もある熊丸は今大会、7番に固定された。渡辺正健監督(39)が就任した8月、熊丸は2年連続で熊本ゴールデンラークスの補強選手として都市対抗に出場し、チームを離れていた。「監督に見てもらうチャンスがなかったので、7番は仕方ない。でも、今に見ていろ、という気持ちもあった」(熊丸)。昨夏、右ひじを痛めた影響で、春までは思うようなプレーができなかったが、体幹から鍛え直すトレーニングで、体重は5キロ増。「練習量が安定して、ピンチで心の強さが出せるようになった」と心と体の両面の充実が打席に出た。渡辺監督も「良いところで打ってくれた」と力を認めた。

 昨年の都市対抗で2ランを放っている熊丸は、2年ぶりの京セラドーム大阪でもアーチを狙う。「行きたい気持ちはある」と話すプロ入りに向けて、3本塁打と首位打者でアピールはした。「2つのドームで打つだけでなく、走攻守すべてでチームに貢献したい」と06年の3回戦を超える成績を目指す。【佐藤千晶】