巨人はエキシビションゲームとはいえ、原監督が復帰して初めての試合。どんな試合になるか楽しみにしていたが、若手選手が元気いっぱいにプレーしていた。その中で、ひときわ目を引いたのが、先発した高田だった。

失策が絡んだとはいえ、3回で7失点。結果だけを見れば「どこがいいんだよ」と文句を言われるかもしれないが、悪かった点が明確。来季までに修正ができると思う。走者がいないときのワインドアップでの投球がいいだけに、将来性のある右腕だと感じた。

140キロ台後半の直球は力があるし、制球力も許容範囲。しかし、走者を出したセットポジションからの投球では、速球の球速が5キロから3キロほど落ちる。さらに制球力はストライクゾーンに投げられる程度で、とてもコースを狙って投げられる技量はなかった。これでは2軍で抑えられても、今試合のメジャー選手や、日本の1軍クラスの選手には通用しない。

ただ、コツさえつかめば、開幕までには修正できる。足を2段で上げる投手は、セットでの投球やクイックを苦手にしているタイプが多い。重心を軸足に乗せ、下半身主導で投げるのを苦手にしているからだ。しかし、セットで構えるグラブの位置などを工夫して、腕が振り遅れないようにするとか、下半身からスライドするように動きだせるように練習すれば、それほど苦労しなくても修正は可能だ。もちろん、動きを小さくしても力が出せるように下半身の強化が必要。オフの過ごし方も重要になってくる。

ワインドアップでの投球を見る限り、1軍で通用するレベルには達している。来年のキャンプとオープン戦が楽しみになってきた。(日刊スポーツ評論家)