紅組対白組 6回表紅組2死一塁、ビヤヌエバは左前打を放つ(撮影・林敏行)
紅組対白組 6回表紅組2死一塁、ビヤヌエバは左前打を放つ(撮影・林敏行)

西武、中日で通算2050安打の和田一浩氏(46=日刊スポーツ評論家)が10日、宮崎で行われている巨人のキャンプを視察。紅白戦で2打点を挙げた新外国人クリスチャン・ビヤヌエバ内野手(27=パドレス)の打撃を分析した。

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優勝争いを考える場合、大事なのが新戦力の見極めになる。その中で特に難しいのが新外国人選手の実力診断だろう。巨人でいえば、打者のビヤヌエバと投手のクック。紅白戦に出場したビヤヌエバの実力を分析してみた。

4番・三塁で出場して2打数1安打2四球。結果はまずまずだが、内容は良くない。唯一の安打は左腕高木の外角低めのチェンジアップを拾うようにレフト前に落とし、好打したもの。しかし、5打席の中で内角寄りにきた高めの直球4球に対し、ファウルチップが1球だけ。残りの3球は、すべて差し込まれ気味の空振りだった。

試合前のフリー打撃でも、日本で苦しむ外国人打者特有の傾向があった。メジャーでは外角が広く、思い切り踏み込んでいくタイプが多い。踏み込んでも上半身が突っ込まなければいいのだが、ビヤヌエバは向かってくる球に対し、上半身を寄せてからバットが出ていくスイング。この打ち方だと、内角寄りの速い直球には、どうしても差し込まれる。日本野球は弱点を徹底的に攻めてくるし、内角の速球が気になり出すと、外角の変化球にバットが止まらなくなってしまう。

まだ初の紅白戦で、体が仕上がっていないのかもしれない。ただ、体にキレが出てきても、根本的に前に突っ込んでしまう癖を修正しないと、日本では苦しむだろう。ただし、両膝の使い方は柔らかく、上半身の使い方をうまく修正できれば“化ける可能性”はある。それでも「常勝」を求められる巨人では、我慢して起用し続けるのが難しい。守備力があればいいのだが、今試合で見る限り、それほどうまくは感じなかった。

現時点ではビヤヌエバより、打撃スタイルを変えているゲレーロの方が期待できる。頭を捕手側に傾けて打っていた悪癖が修正できていた。(日刊スポーツ評論家)


紅組対白組 3回表紅組1死一塁、ビヤヌエバは四球を選んで、豪快にバットを放り投げる(撮影・林敏行)
紅組対白組 3回表紅組1死一塁、ビヤヌエバは四球を選んで、豪快にバットを放り投げる(撮影・林敏行)