アスレチックス対マリナーズ 3回表マリナーズ無死二塁、二飛に倒れるイチロー(撮影・足立雅史)
アスレチックス対マリナーズ 3回表マリナーズ無死二塁、二飛に倒れるイチロー(撮影・足立雅史)

盟友がみたイチローの今とは? マリナーズで守護神として活躍した佐々木主浩氏(51=日刊スポーツ評論家)は、この日の2打席に復調の気配を感じ取った。積極的に打って出た第1打席、粘りに粘って四球を選んだ第2打席。開幕前の実戦は24打席連続無安打だったが、確実に「らしさ」が出てきたとみる。

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実は、イチローの状態を心配していた。巨人とのプレシーズンゲームでは、打てそうなストライクを見逃すシーンが多かったからだ。2ストライクまで簡単に追い込まれ、凡打する姿がよく見られた。だから開幕戦では早いカウントのストライクに手を出せるかどうかが、活躍のカギになると思っていた。

この日の第1打席。1ボールからのファーストストライクを打ちにいけた。内角の厳しい球だったから二飛に終わったが、ストライクを振りにいけたことが収穫だ。第2打席もなんとか粘っての四球。相手投手の球がばらけていたし、打てる球は少なかった。そんな中でファウルを繰り返しながらの四球だから悪くない。

もちろんイチローのことだ。オープン戦では試合勘を戻すために、わざと球を見ていたのかもしれない。だが、もともとは自分の中でのストライクゾーンが大きく、積極的に最初からどんどん振っていくタイプ。「らしさ」が出てきたのはいい傾向だ。

残念なのは2打席で交代してしまったこと。そこまでの内容を考えれば、もう少し長くプレーする姿を見たかった。私がマリナーズにいた頃から目立ちたがりで、大舞台にはめっぽう強い男だった。あのまま3、4打席立っていれば今季初ヒットを打てたと思う。

それにしてもマリナーズは救援陣が頼りない。いくら点を取っても、逃げ切れるという安心感がない。2戦目は菊池雄星が先発する。できるだけ長い回を投げないと、ベンチに下がってからも安心して試合を見られないんじゃないだろうか。(日刊スポーツ評論家)

アスレチックス対マリナーズ 4回表マリナーズ無死一塁、イチローは四球を選ぶ(奥)(撮影・滝沢徹郎)
アスレチックス対マリナーズ 4回表マリナーズ無死一塁、イチローは四球を選ぶ(奥)(撮影・滝沢徹郎)