阪神が巨人に連勝し、2位の座を守った。4番大山悠輔が先制の9号3ランを放つなど4打点の活躍。先発高橋遥人は7回2失点で今季初勝利を挙げた。日刊スポーツ客員評論家の吉田義男氏が矢野阪神の戦いぶりを解説した。

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阪神が広島戦に向けて追撃態勢を整えた。巨人に連勝で弾みをつけて敵地に乗り込むことができる。

吉田 楽勝でしたな。ここにきて大山に安定感がでてきた。なにごとも一足飛びにはいきません。それはなにかというと「4番」で辛抱して、辛抱して使い続けてきたからですわ。1回のホームランは風に乗ったとはいえ、先に点をとることができたのが大きい。そして、特に5回の中押しの一打が効いた。2ストライクと追い込まれたあとにしぶとく中前に運びましたな。

今シーズンの大山は全試合に「4番」に座って、ここのところ9試合連続安打で好調をキープしている。

吉田 まだ課程にあるとはいえ、攻守に成長がうかがえる。まさに「4番」の仕事だった。一言いわせてもらうと、総合的にみて巨人4番の岡本より上。タイガースの生え抜きで「右の4番」といえば、藤村富美男さん、田淵幸一…といった名前が思い浮かぶが、大山にはぜひともその系譜を受け継いでほしいんですわ。

チームはこのカードで巨人を抜き、首位広島とは3ゲーム差としている。

吉田 広島戦は4番鈴木の前に走者をださないことです。ということは、まずは菊池涼、バティスタを抑えることです。先陣を切る西はここに勝機を見いだしたい。もう一言いわせてもらうと、まだ順位を気にするのは早計です。まだシーズンは50試合を過ぎたところでしょ。順位を気にするのは球宴明けでいい。そのときになったらまた言わせていただきますよ。今は「順位」より「貯金」。目の前の一戦にまい進することです。【取材・構成=寺尾博和編集委員】

阪神対巨人 5回裏阪神無死三塁、中前適時打を放ちガッツポーズする大山(撮影・前田充)
阪神対巨人 5回裏阪神無死三塁、中前適時打を放ちガッツポーズする大山(撮影・前田充)