阪神にとっては、連勝しなければ20日の勝利の意味がなくなる一戦だったが、最高の形でモノにした。

やはり5回の近本の1発が大きかった。初回のチャンスで嫌な感じの走塁ミスがあったが、バットで取り戻した。しかも先制点を奪われた展開での逆転弾。逆風の中で見事な1発だった。

西も7回まで投げたことが大きい。6回の守備、1死三塁の場面でゴロをさばいた一塁マルテが本塁送球し、野選となったプレーがあった。あの場面は一塁アウトで十分。ベースカバーに回っていた西が送球をよけるため倒れるアクシデントもあったが、7回まで投げてジョンソン、ドリスにつないだ。もちろん、5回の打席で近本につないだヒットも大きかった。

さらにベンチの執念も勝利につながった。8回裏の無死一塁。前打席で3ランを放った近本に打順が回ってきたが、ベンチは送りバントを命じた。ここは必ず1点を取る-。ヤクルト五十嵐の制球難もあったが、そんな明確な意思が感じられた。この日のように目の前の試合を1つ1つもぎ取っていき、立て直したい。

ヤクルトに連勝し近本(右)とハイタッチして喜ぶ西(撮影・上田博志)
ヤクルトに連勝し近本(右)とハイタッチして喜ぶ西(撮影・上田博志)