追いついたが、追い越せなかった。1勝1敗。阪神は7日の第3戦で、CSファイナルステージ進出をかけた最終決戦に臨む。

桧山 阪神は敗れたけど締まったゲームでした。これでちょうど五分五分になったわけで、なにも焦る必要はない。もともとが舞い降りてきたCSだったわけで、ここは原点にかえって挑戦者のつもりで戦うべきでしょう。

9回に福留が2死から同点ソロを放ったその裏、岩崎が代打乙坂に痛恨のサヨナラ2ランを浴びた。

桧山 福留は第1戦から無安打でしたが、3回にしっかり選んだ四球で調子を上げました。あのフォアボールが5回の適時打、9回のホームランにつながっていったのです。何を言いたいかというと、短期決戦では調整にかけている時間がない。それは途中からベンチに下がった大山にもいえます。自分で工夫しながらきっかけをつかまないと、短期決戦は瞬時に終わってしまうということです。

僅差で決着がついたこの2試合の傾向は、いずれも終盤にゲームが動くことだった。

桧山 ゲームがもつれるのは、DeNAのリリーフが不安定だからで、非常に代え時が難しい。逆に阪神の分厚い中継ぎ陣はずっと好調を保っている強みがあります。この1勝で息を吹き返し、ホームゲームの利点を考えれば、勢いはDeNAにあると思われるかもしれないが、そうでもない。

7日の決戦も接戦で勝ちパターンに持ち込みたい。

桧山 最終戦は、先発高橋遥から、代えて、代えて、代えてで、1点でもリードして、リリーフを惜しみなくつぎ込みながら勝機を見いだしたいですね。

【取材・構成=寺尾博和編集委員】

DeNA対阪神 試合に敗れ、声をかけながら引き揚げる矢野監督(左から2人目)(撮影・鈴木正人)
DeNA対阪神 試合に敗れ、声をかけながら引き揚げる矢野監督(左から2人目)(撮影・鈴木正人)