国際大会において大事なのは、投手が相手打線にうまくはまることと、ミスをしないことだ。プエルトリコ戦の高橋礼のように、はまれば打たれない。

だが勝負どころでミスをすると負ける。過去の日本代表を見ても、17年WBC準決勝は内野ゴロの悪処理で米国に勝ち越しを許し、08年の北京五輪は落球でメダルを逃した。

その点で今大会の日本は、自分たちのミスを極力防ぎ、相手のミスにしっかり付け込んでいた。初回2死から近藤が四球を選び、相手バッテリーの暴投のすきに得点圏へ。好調の4番鈴木につなげ、ワンチャンスをものにして先制点を挙げた。ミスをしないのと同じくらい、相手のミスを逃さずチャンスに変えることも重要。それができた1次ラウンドだった。

また3試合をへて、選手の好不調の見極めができたはずだ。レギュラーシーズンなら、打てなくても次に取り返せ、でいい。だが短期決戦で選手と心中は命取りになりかねない。首脳陣は、状態の悪いメンバーをはずす勇気が必要になる。これも過去を振り返ると、06年の第1回WBC準決勝では、スタメン落ちした福留が代打で先制2ランと復活。第2回大会では不調の藤川に代わってダルビッシュが抑えに回った。勝ち進むためには「変える思いきり」もほしい。

打線では2戦連続本塁打の鈴木や菊池涼の活躍が目立った。一方でなかなか復調しない選手がいた。スーパーラウンドは、これらを見極めた上で選手をどうチョイスするか。注目したい。(日刊スポーツ評論家)