東浜には、打たれた結果を「吉」としてもらいたい。オープン戦初戦の23日オリックス戦で目立っていた直球の走りがどこまで良くなっているか、今回はそこに注目していた。

いい時は、大胆に攻めの投球ができる。力のある直球で押して変化球をまじえる。だがその直球がよくないと、コースを突くような慎重な投球でストライクゾーンの四隅を狙いすぎ、四球を出して崩れることがある。今回はそれがなかった。直球にキレはあった。

4本の本塁打を浴びたのはすべて変化球だった。これから開幕投手を狙う調整としては、直球の精度より、変化球の精度を上げる方がまだ易しい。甘い球なのに相手打者の打ち損じでたまたま結果的に抑えるより、甘い球はしっかり打たれた方が、本人にとっても課題がはっきりして、いい。

初回は直球を中心として攻めの投球はできていた。今回、4発を浴びたからといって、次回の登板で四隅をつくような投球だけはしないでほしい。(日刊スポーツ評論家)