3回表阪神2死満塁、二ゴロに倒れるボーア(撮影・江口和貴)
3回表阪神2死満塁、二ゴロに倒れるボーア(撮影・江口和貴)

無残な大敗の象徴は、新外国人ボーアのブレーキだった。テレビには快音のない「4番」の姿が大写しになった。

山田 ちょっと負け方が悪いよね。勝ち負けはつきものだけど、矢野監督がキーとしたもくろみが、ことごとく外れているのが気掛かりだ。その最たるものがボーアの不振だろう。

開幕戦で無安打だった助っ人パワーは、またも影を潜めた。2度の満塁機に凡退。巨人田口に対した3回は二ゴロ、7回は高木に見逃し三振を喫して「左投手にもろい」ことを印象づけた。

山田 右の菅野との対戦はそうでもなかった。だけど開幕から初めてサウスポーに対したこの一戦は、ことごとくタイミングが取れていなかった。特に左投手からすると、俗にいう「間」を感じない打者に見えるに違いない。

確かに、3回の打席は持ち前のフルスイングができず、7回は1球もバットを振らずに終わった。

山田 左ピッチャー目線でいうと、かわそうと思えばかわせるし、詰まらせようと思えば詰まらせることもできる、つまり意図して打ち取りやすいタイプなのだろう。打線の目玉のはずだった糸井、近本の1、2番が機能しないことも「4番」の重荷となっている。

サウスポー田口の対策を講じた阪神は打線を組み替えた。二遊間、捕手のセンターラインなど、投手を除く4つのポジションで人材を変更したのだ。

山田 岩貞との相性を考えた梅野から原口の捕手は仕方がないかもしれないが、あとはちょっと動くのが早いように思った。巨人も3番丸が無安打だが、周りの坂本、岡本らがカバーしているから目立たない。両チームの差は、監督が期待した選手の働きに鮮明に表れていた。【取材・構成=寺尾博和編集委員】

7回表阪神2死満塁、見逃しの三振に倒れホームベースを見つめるボーア。左は投手高木(撮影・江口和貴)
7回表阪神2死満塁、見逃しの三振に倒れホームベースを見つめるボーア。左は投手高木(撮影・江口和貴)