阪神がDeNAとの接戦を制し、カード勝ち越しを決めた。岩貞祐太投手(28)が8回無失点の好投。4番大山悠輔内野手(25)が2打点の活躍。日刊スポーツ客員評論家の吉田義男氏(86)が矢野阪神の戦いぶりを解説した。

   ◇   ◇   ◇

またしてもヒヤリとさせた阪神だったが、これでDeNAとの3連戦に勝ち越した。

吉田 セ・リーグは間違いなく混戦になってきますよ。借金4? まったく関係ないです。まだ100試合以上あるんですよ。巨人? うまく勝ち過ぎてますわ。どこも決め手に欠いてますから「まだまだここからやぞ」と声を大にしたい。ただこの一戦に関しては岩貞に投げ切らせてほしかったね。

8回2死二塁から、4番大山が右翼線に適時二塁打を放って2点目が追加された。そこで9回は岩貞からスアレスへに託されることになった。

吉田 藤川が抹消されたことでスアレスを9回抑えで起用したわけだが、1点を返され、なおも1死一、二塁の場面で6番宮崎の中飛は完全な打ち損じで危なかった。ここは岩貞を完投勝ちさせることに意味があったように思いました。チームとしては3日広島戦が雨天中止になったところから流れが変わりました。

特に大山が吹っ切れたかのように打ち出した。翌4日の広島戦(マツダスタジアム)から、この夜のDeNA戦までの6戦で、全3本塁打、4試合のマルチ安打をマークしての打率5割7分9厘の貢献ぶりだ。

吉田 大山はボールの見極めに進歩がみえる。あるときはレフトに回って、またセンターで起用されたりと、大山にとっては屈辱だったと思う。6回と8回のタイムリーはいずれも2死からで相手にダメージを与えた。故障のマルテがでてきても大山を使うべきでしょうな。本人にも「4番」というより、「三塁を死守しろ」と言ってあげたい。これから梅雨が明けて、夏の大山に懸けたいものです。

【取材・構成=寺尾博和編集委員】

阪神対DeNA 6回裏阪神2死二塁、大山悠輔の先制左前適時打に盛り上がる阪神ベンチ(撮影・上山淳一)
阪神対DeNA 6回裏阪神2死二塁、大山悠輔の先制左前適時打に盛り上がる阪神ベンチ(撮影・上山淳一)