日本ハム先発の吉田輝(撮影・足立雅史)
日本ハム先発の吉田輝(撮影・足立雅史)

日本ハム吉田輝星投手(19)が、11日楽天戦(楽天生命パーク)で今季初先発し、5回0/3を投げて4安打3失点(自責2)だった。5四死球と制球に四苦八苦も、持ち味の強い直球とフォークボールで空振りを奪って、2年目の成長を見せた。日刊スポーツ評論家の佐々木主浩氏(52)が吉田輝の現在地を分析した。

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日本ハム吉田輝の投球を見ていて、次回がまた楽しみだなと感じた。145キロ前後の球でも打者が差し込まれているし、スピンが利いた、すごく質の良い真っすぐを投げていた。フォークというウイニングショットもある。内容的には十分、今後に期待を抱かせるものだったと思う。

その上で、1つだけ注文をつけるとすれば球の高さ。ボールになった球はほとんど高めに抜けたもの。4回の島内の左飛(左翼近藤のファインプレー)、茂木の三塁打もいずれも真ん中ベルト付近の球。あの高さに来たら、プロの打者なら誰もが打つ力はある。低め、低めに集めていかないと、1軍の打者は力だけでは抑えられない。

ただ吉田輝は自分なりに低めに集めようとしてはいたと思う。5回の投球練習を終えた後、軸足(右足)にしっかりとためをつくってから投げるという動作を繰り返していたから。2年目で、登板中にそこに気づいているのは素晴らしい。

投げ急ぐとためがなくなり球が浮く。走者がいてクイックで投げる時にそれが顕著になる。1点を失った初回もそうだった。次回登板ではコースうんぬんより、まずは高さ。直球が低めへ集まればフォークもより効果的だ。1つ1つ課題をクリアして階段を上っていってほしい。(日刊スポーツ評論家)

2回裏、無失点に抑えるも2四球を与え清水に頭をたたかれる吉田輝(撮影・黒川智章)
2回裏、無失点に抑えるも2四球を与え清水に頭をたたかれる吉田輝(撮影・黒川智章)