阪神としてはオリックス3連戦でもう少し打線の活発さをみせて終わりたかったところだ。ただオープン戦をみていて昨シーズンより得点力アップが見込める打線になったのは間違いない。

ひとつ言えるのは戦力層が厚くなったことだ。それはルーキー佐藤輝加入によるところが大きい。これまでは分かりきったような選手起用に限られたが、これでバリエーションのついた使い分けができる。

例えば代打、守りのバックアップなども選択肢が広がってプラスに働くはずだ。そこに競争力も芽生えている。ベンチは投手の左右でポジションを替えることも考えているようで起用の幅は広がった。

開幕カード3戦目に先発予定のガンケルは安定していた。高橋の故障、チェンの不振は痛いが、それでも計算できる先発の頭数がそろったのは大きい。投手力でも十分に戦えるだろう。

また、今季の「9回打ち切り」の戦い方についてはまだちょっと想像がつかない。投打に早めの仕掛けになるのは容易に察しがつく。リリーフの人員を減らし、野手を増員するチームも出てくるかもしれない。

阪神の場合、スアレスの前に投げる「8回の男」がキーだ。どのチームも外国人の来日で左右されるから波乱含み。戦力層が厚くなったからこそ、首脳陣の戦力分析、見極めが明暗を分けるとみている。(日刊スポーツ評論家)