広島打線は秋山との前回対戦で、初回に3点を取るなど黒星をつけたが、今回は本来の相性の悪さが出た試合だった。序盤に秋山はキレのある直球を軸にして、対する打者は差し込まれ、ファウルでもいい当たりが見られなかった。そこを念頭に置いて、打線の2巡目は直球を狙ったが、相手バッテリーに組み立てを変えられた。配球の変化に戸惑いがあったのだろう。カットボールや、スプリット、カーブで緩急をつけられ、打たされた。

最近、打線は調子が上向いていたので、いい勝負ができると思ったが、秋山の投球に打者が全く合わない。コントロールのいい投手なので四球を取るのは簡単ではないが、打線は淡々として、つながりもなく、粘れなかったのは残念だ。

先発の高橋昂はカットボールを軸に、いい投球をしていた。6回、球数90球を過ぎたところで、マルテに1発を浴び、スタミナ面の課題は残したが、自信をもっていい内容で、次につながるはずだ。(日刊スポーツ評論家)

広島対阪神 6回表阪神無死一、二塁、マルテに先制左越え3点本塁打を打たれた高橋昂(撮影・加藤孝規)
広島対阪神 6回表阪神無死一、二塁、マルテに先制左越え3点本塁打を打たれた高橋昂(撮影・加藤孝規)