新庄監督は今季、7人のタレントをつくると言っていた。その候補の1人は吉田になるだろう。7回に3番手で登板し、9試合連続無失点。もともとフォークを得意にしている投手だが、これまでは手首が横になっていて、直球もフォークもスライダー回転するため、ボールが見やすい難点があった。それが今季は右手首が立って、縦にしっかりたたくように投げられるようになった。吉田は球持ちの良さが特徴だが、それプラス、ボールに伸びが最近出てきた。

さらにこれまで高めに浮いたボールが膝下に投げられるようになった。フォークも真下に落ちるようになった。これは一石二鳥の効果があり、直球を膝下に投げると打者は軌道が低く見えて差し込まれる。今度はその角度にフォークを投げると直球のイメージがあるので振らされてしまう。これがフォークなどの縦変化の投手が打者を抑える基本で、吉田は少しずつそれが身につきつつある。

今季はリリーフ登板になっているが、先発でも適性がある。ただ、せっかくここまで腕を振って投げられるようになった。オリックスの山本が一時、中継ぎを経験して翌シーズン成長したように、いずれ先発に戻るにしても、まずはリリーフで結果を残してほしい。(日刊スポーツ評論家)

日本ハム対オリックス 7回表を無失点に抑えた日本ハム吉田(撮影・横山健太)
日本ハム対オリックス 7回表を無失点に抑えた日本ハム吉田(撮影・横山健太)